AIがデザインできない理由|デザイナーが解説
こんばんは、今日はデザインとAIの関係についての話です。では導入からどうぞ。
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アイデアが湯水のように溢れて、「勝てる」と本気で思うことのみ適任者を探し「やってみませんかー?」と相談しています。
中にはビジネス色が強いものや、一見遊びにしか見えないもの両方あります。共通しているのはAIに直近では塗り替えられないものです。
未来は不明なので、少しでも息が長そうな物を選んでいます。
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その中の一つにデザインがあります。
デザインはAI ではまだまだ自動化されないでしょう。一応デザイン系のAIサービスもあるけど、テンプレ利用の方が質が高い。
直近で生まれるデザインAIはテンプレを少し変えてくれるAIです。つまり模倣。ライティングのように質の高いものはまだ来ません。
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ここで問題です。
デザインはなぜAIによって自動化されないのでしょうか?
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答えは論理的思考とデザイン思考は真逆に位置しているからです。※AIは答えがあるものが得意。
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男性がデザインに弱いのもこの点が大きな原因だと言えます。
もちろん男性デザイナーはたくさんいるし、優秀な方もたくさんいます。しかしアメリカやイギリスを見るとデザインでバリバリって方はマダムな印象ですよね。
男性は論理的にデザインを理解しようとします。だから男性の書いたデザイン本では「デザインとは人の動きを意識して〜」などの可能な限りロジカルにした内容が紹介されています。
一方で、女性のデザイン本では「あしらい」が多く紹介され、動きとか冒頭に少ししか書いてません。
見た目!オシャレ!雰囲気!合ってる!って感じです。(これは僕が男性だからあまりわからないだけですね。)
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デザインとはパッとみていいね!と思う気持ちが実は50%ぐらいを占めていると思います。男性は無駄とも感じる場合がある。
僕がデザインを学び始めた時はここでかなり苦労しました。苦労した実際の内容↓
空白が多いと人間は高級感を感じます。
僕「なんで空白が多いと高級感になるの?」
緑を使うことで親しみを与えられます
僕「緑って100色あんねん」
デザイン本ではフワッと伝えられます。しかしロジカル思考を強く持っていると「なぜ?」の連続です。しかし答えはない。ググってもない。
それでは納得できない僕はさらに調べました。そしたら人間心理学に辿り着きました。そう。デザインのソースは人間心理学なんです。だから明確な答えは導き出せません。
感情は数学のように人間が定義した箱の中にはなく、それぞれ別のものを持っています。
そのため、もし仮に人間の血が緑色だったら興奮色は緑だったことでしょう。
AIが得意なことはなんですか?→答えが決まっていることです。
AIが苦手なことはなんですか?→人間の感情です。
デザインの正解=人間の感情です。
そのため、AIがデザインを完璧できるようになるには感情の理解が必要です。
一見、「無駄」と見えることが売り上げにつながることを証明したのがAppleです。カッコイイを追求したiPhone。繋ぎ目が限りなく少なくツルッとしたMAC。
最初は無駄だと言われたが、生産コストを無視して他社を出し抜いたのはデザインの力、その一点突破です。そしてデザインはまだまだ解明されてません。
今のデザインは基本的にコピーの繰り返しです。しかし本筋のプロたちはデザインを基盤から作り上げます。※アメリカではデザインとは設計ごと指します。
コンセプト設計→ユーザーの行動原理に予測を作り→感情を引き起こさせるための仕掛けを作る→その上で検証モニタリングして→改善を繰り返しデザインを作る。
ビジネスとデザインを掛け合わせた、ロジカル+デザインです。それを実現したのがAppleで他の企業はここに勝ってていません。実質デザインの神はAppleということになります。
「あしらい」は無駄に感じます。webサイトで言うと視線の動線設計などは意識しますが、文字の行間だったり、文章の読みやすさ、そして背景のオシャレさというのは感情ベースで決めているに過ぎません。
例えば文章の横幅は680pxぐらい〜とか言われており理由は1行に続く文字の羅列から視線がどの程度まで動くと人間はストレスを感じるか。などから読みやすいを逆算しているわけです。
それってAIは理解できないですよね。一瞬で文字をデータとして読み込むAIに読みやすさ不要。データ上のSEOタグを見てるぐらいで十分です。
バナーでも同様に視線が最初どこに向くか。それをAIが読み解くのは不可能です。彼らは目を持っていないから。しかしパターンを与え、それっぽいことを模倣することはできる。
大きい文字から順番に人間は視線を動かす。しかし刺激的な色、言葉があるとその限りではなく、さらに人間の顔があると先にそちらを見る。
しかし配置と大きさのバランスでは先に文字を見る場合もあり、人によってバラツキもある。そうなった時AI では対応できず、人間の目で見る必要があります。
デザインは心理学、感情です。AIはロジカルを好み答えを出す。
ビッグデータで人間が好むパターンを学習させればデザインAIもかなりなものが完成します。コピーしたデザイン。つまりテンプレPulsです。
ここはもう少しで完成するでしょう。概ねバナーとかはここで全てAIになる。しかしもっと大きなwebデザイン、プロダクトデザインあたりはまだもう少し残りそうです。
Webデザインはもう少しでテンプレ×AIの時代が来そうなので現在プロの方はオリジナルデザインを極めて行きましょう。
他にない唯一無二を生み出すデザインです。ここならずっと勝てます。ガチャガチャテンプレ組み合わせるAIサイトで中小は完結します。しかし大手のブランドサイトは大手のデザイン要項があります。
それを守って魅力的な新しいデザインを生み出すことが、これからのデザイナーの生きる道です。だからうちの会社は「デザインが武器」として事業を行っています。ターゲットは大手です。
オリジナル性を上げていきましょう。無駄そうなあしらいでも使いこなせばオリジナルになります。無駄を使いこなそう。無駄が価値になるそのレベルに到達するまで。