2020年春、オーストラリアにいた僕は「コロナ」がやって来て、街から人が消える瞬間に立ち会った。
朝8時、親が仕事へ行き、家には一人に。
大学の後、結果的にニートになった僕は人生で初めて「どこにも所属していない」という状況に直面した。
今日も、明日も、明後日も、1年後も。
何時に起きて、何時に寝てもいい。親が許す限り飯も食えるし、ゲームもできる。完全なるニートの完成だ。
でも、たったの1週間で心を病んだ。
あのまま海外に残ってたら色々経験できたんじゃないか、海外で無謀なコロナ禍の方が楽しかったかもしれない。今頃みんな新卒社員だ。俺なにやってんだ、、。
外を見た。そして考えた。
実家の外から見たいつもの景色。その景色はいつもと同じ景色だった。
だけど、今でもこの景色を忘れられない。
誰にも縛られず、自分がやりたいことだけをやれる。逆に自分が選ばなければ、ずっとそのままだ。
完全なる自由を人生で初めて感じた瞬間。
空は青く、隣の家の壁はオレンジだった。
学生時代は楽しかったけど、辛かった。
世の中には何でこんなにしょーもない邪魔者ばっかなんだ。と本気で思ってた。もし同じ大学の人間がいたら共感できるであろう。そして全国のFラン大学に行ってしまった人々は、
この絶望がわかるだろう。
でも学生時代に特に後悔はない。バカなりに楽しんだし、友人はバイト先でたくさん作った。そして日本人としての多くのマナーを学んだと思う。
大学では服を作った。
一番楽しかったのはデザインした服をアパレル企業が実際に服にしてくれる大会だった。
受賞して、よくわからん水着を作ってもらった。「海でも街でも着れる水着」的なテーマで作った。当日会場に行ったら他の受賞者は全員ドレス作ってて本気で恥ずかったのを覚えてる(笑)
でもここの経験から「デザインやりたい」と本気で思うようになったのかもしれない。
好きなことを好きなだけできる。やりたくないことはやらなくていい。それが大人か!!!
と開き直った僕は「本当にやりたいこと」を考え始めた。
条件を無限大にし、可能性を広げて考えた結果、出した答えが「デザイナーになる」だった。(今でも実家のノートに残ってるはず)
過去の成功体験はどんなに小さくても「やりたいこと」の種になると知った。
その後、「デザイナー 求人」で調べて、全ての会社に応募した。そして、何個か秒で落とされた後、スタバのバイト中にかかってきた電話から凸版印刷での求人広告ライターの人生が始まった。
俺のビジネス人生はここから始まったと言っても過言ではない。
凸版に入ることが決まってから繋ぎでやっていたスタバのバイトを辞めてライターになった。しかしこれもフルタイムではあるが、バイトだった。
なので最初の目的は「5年勤めて、経歴作って転職」と言うプランだった。
どうやらメルカリやヤフーなどの有名企業に行った人材が多いらしく、行きやすいらしい。
しかし、ここで奇妙な出会いがあった。
僕の指導を担当した先輩が自分で会社をやってるビジネスマンだったのだ。
僕はこの凸版で1番になると決めていたので、「やる気があるやつ」と気に入られて仕事以外にも多くを学ぶことができた。
そんなこんなで1年半以上働いた。
その間に、引きこもり気味の子を外に連れ出す仕事をしたり掃除、買取、廃品回収などのチラシを作って配ったり、Tinderで営業活動をしたりしていた。
あまり実になってなかったかもしれないけど、もがくことが楽しかった。
「仕事辞める!」と決めたのは会社の業績が落ちてデザイン業務が無くなったからだった。
デザインを学びたかった僕は残業しまくって勉強したおかげでデザインを少しはすこーーしは理解できた。
そして転機が訪れた。
ー
凸版を辞めるちょい前ぐらいに「Wixでの新規事業の作成」の話を持ちかけられた。
Wixってのはwebサイト作れるノーコードツールなんだけどデザインの柔軟性が無いのが欠点。
でもこれはアサインされず終わった。めちゃくちゃ悔しかったのを覚えている。
そして始めたのが別のノーコードWebflowでのサイト制作代行。今まさに行っている事業だ。
最初は3ヶ月に1件だったのが、今では10件の制作案件を回している。
2020年に「デザイナーになる」と決めた俺はたった5年でデザイナーを通り越してweb制作会社の代表になった。収入も10倍ぐらいなったと思う。
最近では、誰でも知ってる会社のwebサイトを作成したし、単価もどんどん上がって来ている。
そんな中、次にやるべきことも見えて来た。それがチーム拡大だ。新たな施策や仲間、環境、それら全てが俺の背中を押している。
ここまで過ごした時間が信頼に変わって来たのを実感する。真面目さは不要だが、誠実さは重要だ。
もし、あなたが今、デザイナーになりたい、webコーダーで生きたい、ノマドになって次のチャンス狙いたいと思うならまずはこれを思い出せ。
5年前、俺はお前たちと同じ場所にいた。
たった5年で人生が変わった。
やったのは求人に応募して全力で走っただけ。たったこれだけ。家で勉強なんて1分もしてないし、たまにサボったりもしてる。
でも環境が背中を押してくれる。自分で厳しいことに挑戦しなくても環境を作れば押し上げてくれる。
あなたがもし、この物語を少しでも「カッコいいな」とか、「自分もできるかな」とか思ったのなら、次の瞬間、行動を開始しよう。勉強じゃない。
チャンスを狙うなら俺らの仲間に志願してもいいし、自分の行きたい業界の求人に応募しまくるでもいい。
行動して5年後。
今日のこの日を「あの頃はバカだった」そう言える未来が楽しみだ。
End
著 : Masato
ハワイ行きの飛行機にて執筆
マサトさんの目を通した色んな景色が目に浮かんだよ📖これからの5年も楽しみだし、目撃するのも楽しみにしてる!5年後はどこにいるのかな〜🌏